野田村を代表する景勝地。紫色の小豆砂がゆるやかな弧を描く十府ヶ浦海岸。
3.5kmにわたって続く美しい砂浜です。
この7.8mの防潮堤を乗り越えて、津波は町を襲いました。ここにある防潮堤は比較的最近できたものだそうでこうして残りましたが、もう少し先へ行けば倒壊してしまっています。
砂浜には相当な重量のテトラポッドが、強力な津波に動かされたのでしょう
場所によっていくつかが散在していました。
そしてこの防潮堤の左側。今は荒野のようになっていますが、防潮堤のすぐ背後にびっしりと約11.2haの黒松林が生えていたそうです。今かろうじて残った松はほんの数えられるほど。ほとんどが流されてしまいました。
かつて内陸から海を見れば、この松林があったため海が見られなかったとか。
しかし今では、海を見通すことができてしまいます。
こうして倒れてしまった大量の黒松。それを村内で利活用するそうです。
何に使うかというと……じつは野田の名産品「のだ塩」。
じつは、津波で村の名産「のだ塩」工房も流出。道の駅から「のだ塩」が消えてしまいました。しかし現在新工房建設中。しかも海水をバーナーで煮詰める従来法でなく、薪で煮詰める昔ながらの塩づくりをするそう。燃料は化石燃料に頼らず津波による倒木を再利用というわけです。塩は手間ひまをかけてじっくりと煮詰めていくと、とても奥深い味になるそうです。すばらしいですね。「のだ塩」復活も楽しみです!