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- 2/26 雪化粧した菜の花花壇 @ 片岸町
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片岸町の花壇に2年目の菜種播き!
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『Nonベクレル食堂』
大阪から東北への帰り道。僕はあるお店にどうしても寄ってみたかった。
それは京都の「Nonベクレル食堂」。3日前にオープンしたばかりで、食材のすべての放射線量を計り、安全な食べ物を出しているという。その真剣な取り組みとメッセージに、どうしても立ち寄ってから帰りたいと思っていた。
お店は2Fにあり、バイオディーゼルカーをとめて、階段をのぼりドアを開けると…「いらっしゃいませ」。あれ!? カウンターに知った顔があった。「…もしかして、ロクローさん!?」「はい、ロクローです…あっ周生さん!」 なんとロクローさんじゃないか! 彼がこのお店をオープンしていたとは! そうかそうか。なんだかほっとしたような、また出会えた可笑しさのようなものがこみあげた。
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ロクローさんと初めて会ったのは2009年(だったかな)の旅の途中だけど、じつはもっと古くから繋がるような接点があって、折に触れてご縁を感じる友人だ。
今から15年くらい前のこと。彼は北米に渡りネイティブアメリカンを訪ね、映画「ホピの予言」の製作を手伝う中、ウラン鉱山で働くネイティブアメリカンの悲惨な状況を目の当たりする・・・。ちょうど同じ頃、僕もネイティブアメリカンを毎年のように訪ね、彼らの話を聞き、旅を共にしていたのだった。彼と現地で会うことはなかったけれど、3年前バイオディーゼルカーで日本一周中に出会って色々話しをしているうちに、共通点が沢山あることにビックリ、もう古くからの友人のよう思えてきて、どこかで糸と糸が繋がった、そんな感覚がしたのを覚えている。
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シンプルで落ち着いた雰囲気の「Nonベクレル食堂」の店内。その片隅に、測定器は置いてあった。大きさはちょっとした消化器ほどで、カウンターの下におさまるくらい。すぐ隣のPCに繋がっていて、この時も計測を続けていた。調味料にいたるまで、お店の食材はすべてこの測定器で計って、放射能汚染のない食材のみ使用している。
「今日までで約90種の食材を測定しています。今お店で使っているのはその内の70種くらい。計るだけでもう3週間くらいかかってます。例えば1kgで計れれば30分で計測できる。つめては計って、その間に次の食材を切ってつぶして……って工場で働いているみたいな日々でした(笑)でも食材が軽くなると計測時間が長くなるんです。質量のないローリエとかオレガノなんかは、なんぼつめても150gとかで、計るのも1日がかりで。」食材は季節折々、同じ食材でも成育場所も変わる。そのたびにコツコツと計測を続けるのだ。
注文した定食が運ばれてくると…見た目も香りもバランスよく美味しそうだ。食材選びから愛情をこめて、お母さんが作ったようなアットホームなメニュー。「米はうちで育てたものなんですよ」とロクローさん。もちろん「大盛りで!」
ひと口、ふた口と食べる……うん美味い! 優しい味付けにホッとする。
ふとハッとした。こうやって「絶対に安心な食べ物なんだ」って感じながらご飯を食べるのは、震災後ほとんどなかった。いつも「たぶん大丈夫な食材だろう」と思いながら食べていた。いつしかそれが普通の状態なっていた。でも違う、この安心感が当たり前のはずなんだ。
店内には小さなお子さん連れのご家族やお友達同士。それぞれに食事を楽しむ笑い声が響いていた。お父さんもお母さんも、子どもたちにとって心配しなくていいご飯がここにある。
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ロクローさんは中学生と小学生の2人の子どものお父さんだ。そもそもの始まりは、3.11の後の子どもの学校給食からだった。給食への配慮に対して、学校や行政へ質問状を送るも納得のいく回答がほとんど得られず、自分の足で正しい知識を集め、専門家に聞き、各地の測定所を回ったりボランティア測定員をしたりと行動を始めたという。
「この京都市内には8000人の避難者がいると言われます。数えられていない方も含めればもっといるでしょう。外食へ行った時に、ちょっとでも不安を感じる食材があると、お母さんたちは小声で “残しなさいよ” って子どもに言うんです。もうこれ以上、子どもには一切セシウム入れたくないんですよ。それこそ産地だけじゃ汚染はわからないのに、もうすごいガチガチにしていて、栄養障害も出てきているんです。そういうことがほんとうに辛いなって思って。何も気にせんと、おいしいおいしいってご飯食べられる定食屋がやりたかったんです」
さらに彼が目指すのは、安心安全な食事だけではない。この定食屋から正しい情報を発信することで、無差別に攻撃をうけている作り手を応援したいのだ。彼は今まで汚染された土地や風評被害にあう農家さんを周り、丹精こめて育ててきた大地と作物を諦めざるを得なかった農家さんの想いや現状にふれてきた。
「消費者さんの中には、東日本から向こうのものは一切買わないという人もいるんです。そういう無差別なものではなく、被災地でもハウスのものだったり、数値が出ていない安全なものはたくさんあるんですよ。それこそ風評被害を受けているんです。そういった農家さんの作物の測定結果と農家さんの情報をHPにアップして、直接買うことのできるシステムが作れればと思うんです。11月からは食材持ち込みの測定も受ける予定です。本当に必要なことをちゃんとしなきゃいけない。そこをうやむやにするから風評被害が生まれるわけやし。本当にちゃんと食べられるものがたくさんあるわけだから、それをちゃんと紹介したい」
農家さんや食材についての詳しい情報は今後、HP上で順次アップしていくそうだが、開店して3日目。すでに “食材はどこで買えるの?”という問い合わせも受けている。お店に来られない人々が情報を求めているのだ。全く知らない人が “このお店なんですか?”と入ってくることもあるという。
「こういう動きが大きくなっていったら変わると思う」ロクローさんは続けた。
「……僕はネイティブアメリカンの人々と暮らした時に、何も知らされずにウランを掘り、そこに住んで被ばくしている先住民の人々を見てきました。本当にひどい状況だったんです……仮に原発が100%安全やったとしても、そういう犠牲のうえに僕らがあぐらかいて座って生きていて、そんなんぜったいアカンやろって。そう思って行動していたつもりなのに、3.11が起こった。僕が命かけたとこで原発がなくなったかどうかわからないけど、少なくとも、自分は命をかけてなかったから、自分の子に、全ての子に、次の世代に申し訳ないって思って。本当に必要なことをちゃんとしなきゃいけない。僕も生き方を変えていかなあかんなと思って。どうせやるなら直球勝負でやろうって」
お店の片隅にはホピの本やネイティブアメリカンのオブジェがそっと飾られていた。
彼の新しい人生がいよいよ始まったんだ、そんな気がした。
まだまだ話していたかったけど、忙しい彼を引き止めておくわけにいかない。
「また会おう。応援しているよ」固く握手をしてお店を後にした。
ロクローくん、遠くてなかなか来られないけれど、心から応援してるよ。
また会おう、その日を楽しみにしています。
あおぞら財団の皆さんありがとう See you !!
「未来の子どもたちへ、この地球の美しいあおぞらを残して行こう」
そんなメッセージを通してさまざま企画発信している「あおぞら財団」の皆さん
あっという間に3日間の講演が終わり…しばしのお別れです。
最後に廃てんぷら油&ポリタン をご協力頂きました。
支援のための大切な燃料&資材にさせて頂きますね、ありがとうございました!!
次にお会いできるのは東北ですね、その日まで!!
See you soon!!
10/21 講演@尼崎市立成良中学校
大阪で3日目の最終日は「尼崎市立成良中学校」で講演です。
この成良中では環境教育に熱心に取り組んでおり、今回ぜひネイチャークラブの生徒さんや地域の方々への講演をということでよんで頂きました。内容は「天ぷら油で地球一周、世界のエネルギー事情と環境のこと、被災地の現状、支援活動について」など。
また、僕たちの活動だけでなく、学校や徳島大の上月先生のご講演も伺って地域での活動もお聞きすることができました。
講演後、生徒さんからそれぞれ感想を頂きました。
「やりたい仕事をやるということについて勉強になったし、国際的に外国いっていろいろしてみたいなと思うので、何か言葉ではなく見て目あうだけで通じ合えるのはすごいな、外国にでてみたい」
「今自分たちは尼崎をかえようとがんばっている。自分たちがかえていくことで、どんどん大きくすることで、世界もかわるんだなと思った」
「未来のことを考えて行動することがすごい誇りだし、大事だと思いました」
「被災地での支援活動にふれて、今の自分にできることやりたいと思った」
「これから先のことを考えて、世界のことを考えていきたい」
「やりたいことをやる、でも僕はやりたいことはたくさんあるけど、僕は勇気がない。それはどうしていますか?」
成良中ではネイチャークラブを作り、環境のことを学び、改善していく活動を行っています。環境教育を担当するのが、技術工作の先生でもある中岡先生(上右)。生徒と学校を共に活かす環境教育の活動であり、学校と暮らしの中で「命」を学びます。また尼崎の他の研究会とも連携しながら、循環型社会を作って行くような研究を行っています。(その話は下で後述しますね)
今日、お弁当を作って頂いた「葵」さんのご家族が、講演にきてくださりお店の廃油をもってきてくれました(左上)旬の海の幸を山の幸を使った心のこもったお弁当、とても美味しかったです、ありがとうございました!
そして学校の「収穫祭」などで使った廃油もここで注入して頂きました。自分たちで使った油を目の前でリサイクルする体験です(右上、左下)
小さなペットボトルに家から出た廃油をつめて、もってきて頂いたお父さん。(右上)
頂いた廃油は、すべて東北での被災地支援活動のための燃料にさせて頂きます。皆さんありがとうございました。
この成良中の取り組みで驚いたのが、「屋上庭園」。各階に合わせて3フロアにもなる庭園があり、ネイチャークラブを中心とした生徒さんや先生方と植物を育てています(下左)。
屋上庭園の土は、通常の約半分の重さになる軽量土を使っています。芝生がとても気持ちがいい!屋上だから景色もよく日当りも抜群です。
「これ、食べてみてください」と中岡先生に手渡されたのが赤くてかわいらしいラズベリー。甘酸っぱくてとても美味しい。「地下茎で伸びるんです。たくさんなるからジャムも作ったりしてますねん」と他にもキンカンの実、ピーマン、ナス、綿花、ライム、コスモス、さとうきび……など、農作物や鑑賞植物も含めはなんと50種以上を育てています。5年前にはまだ芝生のみの状態。そこから土をもって上がることから始まり、植物を順番に育てて…今ではこの通り。まさにゼロからのスタートだったそうです。
堆肥はなんと構内で作っています。小型生ゴミ処理・コンポスト機を導入。その堆肥の原料となる生ゴミは食べ残しだけでなく、じつは “海の生物”なんです。
ここ尼崎周辺の港は、生活排水や直立護岸の増加によって、循環生態系の力が弱まっています。港で観察される”青潮”もそれを象徴する大きな現象なのです。そこで循環を改善するために、徳島大の上月先生とともにワカメを育てたり、死んで海底でヘドロになる前の大量のイガイ(貝)を回収し、構内の処理機で堆肥化しているのです。混ぜ込む落ち葉は構内の葉っぱを使用。海の環境改善と、陸での緑化を繋げて活動しているのです。(上写真左は、海藻を乾燥させたもの。それらを右の機器の中に入れて堆肥化)できた堆肥はちょっぴり緑色をしていました。ワカメだからでしょうか!?
庭園の至るところにあるのが、鳥の巣箱。生徒たちが作ったものだそうで「ここには鳥もようきますから “バードピア”にしたいと思っています。この巣箱に入るのはスズメ。都会の鳥はビニールとかプラスチックを巣の材料にしてますけど、ここではわざと雑草もはやして、”枯れる”という自然の流れも生徒に見せていきます。鳥もその庭の草を使って立派な巣を作るんです」
他にも廃材になった机を再利用して木枠にしたり、技術工作の時間にベンチやちょっとした机などを作って、構内で見近で使っていきます。
「子どもらがしんどそうにしてたらね、ちょっと来ぃゆうて、このライムの葉っぱをごしごししてみぃゆうて、嗅ぎますねん。そうするとスキッとしてね。…ミカンとか食べるものがとれたら2つ渡す。1つはその場で食べて恵みを感じる。1つは家帰って家族と一緒にわけて食べるように。子どもは”家族でわけて食べたで” っていってくれます」と中岡先生。
都会で暮らしていると、どうしても自然とは疎遠になりがちだ。本来僕ら人間は自然の一部であるはずなのに、自然はまた別のものなのだという感覚のまま育つ。しかし都会でもこうして多感な時期から校内で命を観察し、頭ではく心と体で命のリアルを感じることで、今人が育つために本当に必要とされているモノがゆっくりと育まれていくのではないか。
今日は記念に、屋上庭園に菜の花の種をみんなで植えました。そう、僕らも被災地で植えている”ナタネ”です。土に混ぜ込んだ堆肥は、もちろん海の循環活動で生徒の皆さんが作った堆肥。皆さんさすが手慣れた手つきでチャッチャと筋まき完了。すぐに播き終わりました。開花は来年です、春が楽しみですね。
皆さんありがとうございました! 次は油を一緒に絞って燃料にできたらいいですね。
またお会いできる日を楽しみにしています。